「おい、あんたに文だ」 このご時世、連絡なら様々な手段があるというのにわざわざ紙で届いたそれの中身を刀は知らない。 しかし宛名を見るに中身は決して悪いものではないだろう。 何となく癪に思いつつもそう思えてしまう。 封筒を手渡された主は頬と髪を薄桃に染めて笑っている。 くやしいかな、それを見られることは刀にとっても幸福だった。