バレンタインにチョコをくれたのは刀で、ホワイトデーにもこうして笑顔で贈り物の菓子を差し出すのも刀だ。 流石に悪い気がした主は断ろうとしたが、刀はきょとんとしてから引っ込み、盆に先程まで差し出していた菓子と茶を乗せて帰ってきた。 「貴方の喜ぶ顔さえ見られれば、私のとってはそれが最高のお返しになりますので!」 彼の素直さが主は時おり羨ましくなる。