帰路を歩くうちに、徐々に雨は引いていった。やがて先ほどの紫陽花の咲く場所で、私は立ち止まる。その頃には陽光が差し込み始めていた。花や葉に残った雨粒は光を受けて輝きながら零れ落ちていく。あちらこちらの濡れた木々や、足下も、同じように光を反射し、空気はまだ雨の湿気を帯びていた。先程買い付けたどんな宝石よりいとおしいそれらを、私はただじっと感じていた。