目の前で弾けた鮮烈な赤を、私はずっと忘れない。 こんな醜い世界で、それなりに感じていた幸せを、大切にしていたものを、一瞬ですべて奪われてしまった。 挙句にその下衆は、市民を守る存在でありながら己の身分を騙り、ただ汚らわしい己の欲のためだけに私の家族を、友人を、奪っていったのだ。 真実を知った後のことは、よく覚えていない。 ただ、視界を埋め尽くす赤だけでは、この心の奥底から湧き出す感情を抑えきれやしないことだけはわかった。