「やあ。お兄さんのことを知っているのかな?いやあ、嬉しいね。フランシス・ボヌフォワ、何処にでもいる普通の男さ。仲良くしてくれるかい、マドモアゼル?」 男は言う。この組織は決して表に立たず、決して公表されず、決して評価されない。けれど、組織が存在しなければ今日も明日も、誰かが無残に殺されるのだと。手を取れば、二度と戻ることは出来ないだろう。それでも来る覚悟はあるか、と。秘密に紛れた彼は、妖艶に微笑んで見せるだろう。掴みどころのない霧のように。