戦いの中で流された、悍ましい血の欠片。時折聴こえる水銀のように蠱惑的な、生命への冒涜を促す囁きに耳を傾けることなく、生命への敬意を損わない存在のみだけが知ることになるだろう。この血は、人間に良き結果をもたらす事は、塵ほどの可能性もないのだと。すぐにでも破棄するべきだったのだと。