蝶あるいは蛾の翅に酷似した武器、のようなもの。
微笑みの奥に、火があった。 情熱のような、澄み切ったものではない。 消せない、消さない。どす黒い火種。 燻りと揺らめきを繰り返す存在。 その苛烈さがあの存在ごと焦がすのは嫌だった。 あの存在が、灰も何も遺さないのは耐えれなかった。
だから、あの炎に向かった。 少しでも、傷付くように願って。