火種のような、小さな残留思念の一粒。 底なしの悲しみが、溢れる怒りに。やがて燎原の火のごとく広がるまで、そう時間は掛からなかった。誰かにとっては取るに足らないが、誰かにとっては命もしくは魂。それらに近いものであった。 ただ、それだけのこと。