『毎日がメリーゴーランド』
「あ~あ、もう少しで閉園だね」 そう漏らした『スパイ』の横顔はついさっきまで「ジェットコースター、サイコー!」とゲラゲラ笑っていた人物とはかけ離れた、大人びたものであった。 遊園地のアトラクションもどこかシックにイルミネーションに照らされている。 「ねえ、みんなでメリーゴーランド乗ろうよ。馬鹿馬鹿しいぐらいがちょうどいいよ、私たちには」 そう手を引っ張っていく。馬鹿馬鹿しい毎日に戻る前のおまじないのように。