自分と環境
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人は〇・二ミリの受精卵として生じる。数十キロの成人の身体は、すべて田畑あるいは海や川の物質を寄せ集めて作られている。その意味で身体は自然そのものだが、都市社会の「自分」はそのすべてを意識から消し去り、自分を自分という独自の存在とみなし、母なる自然を「環境」などと呼び捨てる。こうした異常な世界はいずれ崩壊するしかない。
(『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』より)