大きく膨らんだお腹を撫でる。もうすぐ、もうすぐ産まれてくるのだ。お医者様にはこの子を産んだらきっとあたしは死んでしまうと言われた。それでも構わなかった。生まれてきたことを悔いていたあたしが、彼と出会って生まれてきて良かったと心から思えるようになったから。この子という大切なものを遺せるなら、あたしは死んでしまって構わない。―――「ごめんね」彼とこの子を遺して逝くことを。「ありがとう」彼とこの子に出会えた喜びを。