案の定兵士に取り囲まれていた相方に溜息をつき、愛用の魔鐘を思い切り鳴らす。
　轟音に耳を抑えうずくまる兵士達、何やってるんですかと声をかけると金色の悪魔は珍しくばつの悪そうな笑みを浮かべる。
　白銀の天使が彼女を見上げて呆然としていたが、彼女はそんな些細なことに気を止めずに自らの相方に文句を垂れる。
　悪かった、助かったよ、と彼女の相方は顔をしかめる皇子を脇に抱えて彼女の横へ。さっさと逃げますよ、彼女が地面に投げつけた何から大量に吹き出した煙が晴れた時、すでに3人の姿は消えていた。