雲林院文定が落胤として生まれたのは、定善の代からおよそ4,5世代前の頃だった。 貧しい身分と境遇によって不遇な日々を過ごしていたが、母と世話人との生活はささやかで温かいものだった。 ――それを壊したのは、彼らを邪魔ものと判断した雲林院家だった。 母と心を開いた者たちを殺されいよいよ自らの命を刈り取られる時、使者たちは青い炎に包まれた。 悲しみと怒りに包まれ、妖狐フミサダは産まれた。