「……ルートヴィッヒだ。兄さんの情報をくれるのならば、協力しよう」 記憶を失い、親を喪い、ひとりぼっちでいた時に救ってくれたのは血の繋がらない兄だった。兄弟同然に育ててくれた彼には感謝したってし切れない。けれど、兄はいなくなってしまった。また、置いて行かれてしまった。狂いそうな感情を、相棒が塞き止めてくれた。もう大丈夫だと、子供をあやすように。