普段、仕事中は手袋をつけているパピだが、その左手の薬指にあるときからピンクゴールドに輝く指輪が填められるようになった。家族以外にそれに気づいたのはほんの一握りの同僚だけ。「それどうしたの?」と訊くと「ないしょ」と笑って応えるだけらしい。きっと大切なひととの約束の指輪なのだろう。 「死ぬまで外さないよ。……死んでも外してほしくないけど」