「とっテも綺麗デスねー!この赤イ色を見るト、秋って感ジがしマす!」 木々が落とす葉の絨毯の上で、思い切り空気を吸い込み、縦横無尽に駆け回る。彼女の故郷にはないからだろう、紅葉がいたく気に入っているようで、あっちへ走っては赤い葉を拾い、こっちへ走っては赤い葉を集める。彼女が分けてくれたひとひらの紅葉を、まだ大切に持っている。