「よぉ。俺に助けを求めたのって、アンタだろ?俺は福井羚。アンタのヒーローだよ」 その呪われた腕を切り落とすことで、青年は違う道を歩み始めた。ーーああ、これで俺は誰かを救うことが出来る。かつてヒーローに憧れていた少年は、『今の自分』を棄てた。もう、その手で大切な誰かの温もりを感じることが出来なくなったとしても。彼は、ヒーローになりたかったのだ。