吾妻川架橋袂の柳の下の件。本当の名前を賽(さい)。愛称として『柳』と呼ばれる、日本妖怪『件』である。 放浪の末、鯖街にたどり着いてしまった彼はこの街から出る方法を探している。 「閉じ込められるってのは、やっぱヤダよネェ。ここは街だから、座敷牢よかマシだけどサ~ァ?…ったく、出来ねぇかもしれないことは予知したくねぇのに」