彼女は心臓が生まれつき弱かった。そのせいで、長いはずの"それ"に限りがあった。だからこそ学ぼうと思った。自身を取り巻く病の全てを、世界にはびこる病の全てを、そしてその突破口を。その為の進路は自身で切り開く――この意思がそうしたのか、長い闘病生活から芽生えたものがあるのか。彼女は嘘を付けない代わりに『嘘を見抜く才』を得た。古びた定期券を片手に、多くの論文や研究を切り伏せながら自身の研究に邁進する。