「私の血を貴方様に分け与えることにより、貴方様は夜の王者になるための力を得るのです。それは神が定めし運命…我が夢のお告げでございます」
恭しく姿勢をこうべを垂れ告げる銀の獣、その瞳は青い炎の強く鋭い意志が宿っている。交わす契約書に滲む赤は、これから流される血塗れ闘いの前奏曲のようだ。
「さて、これで貴方様と私の契約の儀は完了いたしました」
"ようやく手に入れた"人間の手で契約書を丸め紐で閉じる。"真の王者になれる時"はもうすぐそこまで迫っているだろう。