よねさか、と服を掴む手は震えている。磐越、お前は無理しなくて良いからな。ゆっくり休めよ。と磐越を寝かしつける。自分の存在意義を見失ってしまった磐越は余りにも空っぽで。西線と呼んでも自分が分からなくて磐越と呼んであげると自信なさげに頷いた。でも壊れる前で良かった。米坂はそう思いながら、寝付いた磐越の不自然なまでに黒い髪を撫でる。今日は悪夢を見ませんように。