春、桜の季節。思い出深い季節だ。あの場所の仲間と科技研の仲間と。ずっとずっと、過ごしていたかった場所。 でも春は別れの季節でもあります。そして僕は夢を叶えるためにこの場所を離れます。 ――ああ、鼎さん。あなたには本当にお世話になりました。それと、僕は知っています。あなたが僕に、誰かの姿を重ねていたことを。 でもそれを寂しいとは思いません。あなたがそれで、大切な何かを取り戻せたなら。僕の意味はあったんでしょう。 (出典:桜之荘)