「まって」血と、冷え切った体温に触れて、震えた唇から咄嗟にこぼれ落ちてきたのはそんな言葉だった。馬鹿みたいだ。「やくそくしたじゃないか!次は君の料理を食べさせてくれるって、僕はちゃんと約束を守ったぞ!」分かっている、致命傷だ。きっと助からない。どんな奇跡だってもうこの命を救えない。分かっているのに。それなのに。「……すまない」どうして君は、そんなに満足そうに笑っているのだろう。