たとえそれが初めから叶うことが許されない恋だったとしても。あの笑顔も気遣いの言葉も親切も日常のなにもかもが嘘だったとしても。たしかに恋だった。どうしようもなく恋だった。だから立つのだ。刀を向けるのだ。けじめではなく、無様な姿を見せないために。敵対してまだなお枯れない恋のために。