【☆5】タイムリミット
レア度:
L
8年弱前に更新

時間がなかった。
とにかく、時間がなかった。
何をしたいわけではない。
その時が来れば、すぐに死ぬつもりだった。
あるいは殺されるか。
それは別に、彼にとって恐怖でもなんでもなく、未来の、確定事項だった。
ただ―――……
一人の少年のことが、気がかりだった。
自分の話を、(表情は変わらないが)楽しげに聞く少年を、いつしか、見ていたいと思うようになってしまった。
もう少し、もう少し。
彼が大きくなる姿を、見ていたいと、思って、……―――。