あったかもしれないしなかったかもしれない、そんな存在。
かつてとある旗本の守り刀として代々愛され、「ヤモリサマ」と呼ばれていた。
暑い暑い夏の日、その短刀は軍刀として海を渡り、その名の如く運命の星を渡り歩くように主を守ったという。その軍刀は今、どこかの本丸でかつての友人をただひたすらに待ち続けているという。