その鎚は誰のために振るわれるのか。 その脚は誰のために駆けるのか。 緋色を隠す淡い髪を切り落とし、青年は正しくガリアの一員となった。 ………けれど結局のところ、彼はバルバロスになり得ない半端者なのだ。 だって彼はかの国へ忠誠を誓ったわけではなく、その決意はただ一人のためにあるのだから。