「どうやら私を怒らせたいらしいな、貴公は」 ゴゥ…、と。 周囲のフォルトがざわついた。 その黒髪の男は、手にした槍弓を一度一閃すると、無数の矢を形成し、一気に射出する。 闇の精霊であるこの男は、周囲への慈悲と義は忘れぬ男として名高かった。 それ故に”負の使徒”は忘れていたのだ。 この男の、本当の恐ろしさを。