幼い頃から逃げ続けてきた自らの運命。自分がそんなに大層な人間でないことは自分が一番よくわかっていた。それでも。そんな自分と一緒にいてくれた人たちがいる。そんな人たちを見捨ててまで、彼は逃げようとは思わなかった。それがきっと、彼の運命。そうして、戦う意志と共に『魔女の血』が覚醒する。

「紫陽花さんの代わりになるなんて無理だし、俺はこんな大きな責任いまだって負いたくない！でも、でもさ、俺だって……仲間くらい、ちゃんと守りたいんだ。こうすることで守れるならーー俺は、『皇帝』にだってなってやる」