両親からの愛情は、どちらかといえばなかったと言った方が正しい。暴力を受けていたわけでも、理不尽を向けられたわけでもない。ただ、愛情というものは子供心にあまり感じられなかった。そこがきっと、レイトの他人への興味・関心の薄さの始まり。そんな彼の心は、大部分が虚無感で。そうして今ーー
「仲間とか、家族とか、正直今でもいまいちピンときてねぇんだけど……今の状況に『温かさ』があるかと問われれば、あるような気もする。アイツらが俺の名前を呼ぶからーーちょっとだけ、守ってみたいと思った」