「僕の仕事は、世界を浄化して、ただ僕の見た世界を持ち帰るってだけなんです。 でもそれだけじゃ、なんだかさみしいじゃないですか。だからお土産が欲しいんです。」 少年はそう、本当に寂しそうに一つだけ微笑んだ。 まるでこれから自分が消えてしまう事が確定しているかのような、そんな口ぶりで。 「僕に思い出をくれませんか?」 窓から入った夜風が、ふわりとカーテンをめくり、彼の髪を撫でた。