草露白し。
太陽黄経が一六〇度に達し、気温が下がりはじめ、木々が霜が降りたかのように、いちじるしく再生をあらわして、白く輝く歳時記。
古のメソポタミアと中国の思想の融合である、四元論と陰陽五行に裏打ちされ、彼女の身の潔白を強調し証明し続ける色。
人々を守る暖かな日の光が力尽きる場所で...
彼女は何も悪くなかった。
彼女は救われたかっただけだ。
二度と蘇えらず、救われず、何も残さずあっけなく奪われ死んでいく彼女に。ありがたき再生の果実の名を与えたことはこれ以上なく皮肉的である。