「いらっしゃ……ああ、アタシが呼ばれたのか。アタシはキアーラ、ただのしがない料理人兼魔術師さ」 魔導士は土塊へ命を吹き込んだ。皆を守れと命令しながら。天才と呼ばれた彼女は世界を救う旅に同行し、そこで自分を心を捉えて離さない女傑に恋をした。心が狂いそうな恋だ。それは叶わないけれど、叶うことなら最後まで共に。平穏になった世界でバーを営み、彼女の舞いを見る。それが、些細だけれど泣きそうな程に幸せなのだ。