「ギルベルト・バイルシュミット。師匠んとこでこの力の制御を習ってんだ。まだ練習中だけどな」 突如目覚めた異形の力は日常を奪い取った。まるで世界から自分だけが置き去りにされてしまったような不安と恐怖に呑まれそうになって、救いを求めた先に彼はいた。柔和な微笑みで手を差し伸べ、居場所をくれた。弟を失って、彼と共に探す非日常が知らず、ゆっくりと日常へと置き換わっていく。