地平線を名残惜しげに眺める彼女を促すように抱き寄せる。昔から、百年前から、そうだった。まるで遠い恋人に焦がれるかのように、太陽に手を伸ばそうとする。それが、酷く気に入らない。月の名を持つ彼女には、この闇こそが相応しいというのに。