「見つけた…、…また知らねぇ奴を誘ってる……。俺を避けやがって………お前は…俺だけを見て…俺の手元に……」 そう呟いた青年は殺気を隠さずに走り出す。 男性と別れたばかりの想い人に狙いを定め飛びかかる。全ては、「自分だけを見てもらう為。」 その欲求を満たす為ならば生死を問わない。 初めて恋をした青年の心は限界を迎えていた。初めて故に、間違いも終わりも知らない。ここで彼に殺されるのなら本望とでさえ考えている。
想い人へぶつける刃は心からの叫びであった。