彼女は何時ものように仕事を終え、身を清め、ふかふかのベッドで眠りにつこうとしていた。……まあ、何時も直ぐには眠れないのだが。 ボンヤリと、今日追加された囚人たちや、就活生達の顔と名前を思い浮かべる。この暇な時間は暗記するのに丁度いいのだろう。 そうして、いつも通りに1日を終えるはずだったのだが。 突然目や口、耳など、あらゆる所を縛られた。頭が追いつかない。 そうしているうちに、左腕が熱くなる。 さっきまで動かしていた指や感覚が。ない。 ……そこからの記憶は、ない。