…すっかり大人になった少年と彼が時を共にするのはもう何年だろうか。 そもそも、自分の年すら覚えてない彼が、年月を数える事なんて、笑えてしまうのだが。 彼はずっと母を探していた。炎に奪われた母。その代わりを。 炎に包まれても、なくならない存在を。 しかしその結果、ここに収容され今に至る。 彼は少しずつ、知ったのではなく、感じ取った。 そんなものはないのだと。母はもういない。 …だが、今はそれでもいいのだと思っている。 彼は大切な人が出来た。隣で眠る大きな少年。唯一の愛を注ぐ対象を。