絶望や悲しみがアリアを、彼女を堕落させた。無垢な歌声は病と癒しをまき散らす歌に変わり、おびただしい量の人間の生命を胸先三寸で決めることができるようになってしまった。 姫には騎士がつきものだ。彼女の隣には、同じように“英雄であらねばならない”という病に取り憑かれた青年がいる。