誰かに貰ったというカメラを、嬉々として友人に向ける。 痩せこけた友人はどうせ映らないのだからと遠慮するのだが、ならば下手くそだって構わないじゃないか。 結局、吸血鬼が二人で撮った写真には部屋の家具しか映らなかったのだった。
「エル、やっぱり写っていませんよ僕たち。」 「悔しいですねぇジグ、貴方のソファとタンスしか写ってないです。」