月夜に庭で祈る彼女に恋をした。月明かりはヴェールのように彼女の髪を包み、白い肌を照らしていた。闇に溶けそうな黒衣だというのに、彼女は美しかった。口が勝手に動き、話しかけていた。 「俺と旅をしてくれないか」 「……へ? あ、あたしが?」