朱に染まる海。 誰かの血の色のようなその色は、どこか穏やかに思えた。 矛盾しているだろうか。
もしかすれば、それは遠くの、山のような死骸から流れてきたのかもしれない。 いつかあれに触れる日は来るのかと考えながら、青年は朱色の水面に触れた。