盲目の蝶は唯一無二の友を、手を引いてくれる者を失ってしまった。今も留まっている花から飛び立てないまま、独り寂しく青い翅を羽ばたかせている。自分を留まらせてくれる花は、すぐそばに咲いているのに。 「ニコラ……あの日から動けないのは、僕も同じだよ。まだ君が僕を呼んでくれるんじゃないかって、前みたいに笑いかけてくれるんじゃないかって……」