「砂の国」の内部で王に徴用された騎士がいた。彼の名はパーシヴァル。とても口では言えない罪を犯してしまったから、恋人のナタリーを置いて旅に出てしまったのだという。 ナタリーは何も知らなかった。彼の罪を。仮に知っていても、憎むことはしないだろうに。 「どうしてキミを憎む必要があるんだ? ボクが……わたしがここまできたのは、声を聞きたかったから。好きだから。忘れたくなかったから」