戦争はあまりに長く続きすぎた。その事実を、認識する者すら少なくなるほどに。 優しい彼女が正気でいるには、この世界の人々はあまりにも同属を殺していた。血を流しすぎていた。 それに気づいた彼女は十字架を手放し、代わりに拳銃を手に取った。
唯一の希望を見失ったかつての少女は、ただ静かに堕ちていく。
(神も悪魔も、すべてはひとがつくりだした幻影にすぎないのだ)