【タビノキオク】<“彼女”の右腕>
レア度:
★1
約8年前に更新
川の旅に危機を見出す。先に其れに気付いたのは私では無く、彼女だった。
水で出来たかのような右腕が、私の意思と離れて巧みに舵を取る。
何時もは反抗的な程にぴくりともしないこの腕は、水に関わる事に際しては話が別で。
「まあ、水の化身のお力があるのね、素敵ね」
そんな声に彼女の喜びと嫉妬が湧き上がるのを感じ、ほんの少しの恐れを抱く。
どうか、これ以上私を冒さないで欲しいのですが……。