「最期の時に」
終わりを見据えた彼女は、ひとり思う。 この戦争に、意味などあったのか、と。 自らにかけた不死の呪いも解け、 今はただ死を待つばかり。 二人の愛しい姉妹は、とうに死んだ。 しかし恐れることなどない。 自分も今からあの二人の元へ行くのだ。
…それって、何処?
天に生きた賢者が最後に感じたのは、 逃れられぬ「死」への恐怖だった。