「そよかぜ」
夜明けと共に目を覚ます。 暖かな風が頬を撫でる、心地のいい朝だ。 そろそろ雪解けが始まる頃だろう、 足元に気をつけなければ。 考えながら、近くの川で水を汲む。 お湯を沸かしてお茶を入れ、 乾パンと干し肉、ビタミン剤の朝食を摂り、 食後に軽く身体を動かしてテントを畳んだ。
さて、出発だ。 目指すは故郷、かつて自分の居た家へ。