「いやぁしかし、派手にやっちまったッスね………治るから良いとはいえ、まさかあそこまでぐっさり刺さるとは…。」
プラプラと揺れる右手は、自身が流した血によって真っ赤に染まっている。無造作に捨て置かれたボルグ・カムランの鋼の尾は、彼の硬い防御を貫いて肩を砕き、地面に縫い付けた。しかし、【鎗】を持ってしても【牙】を止めることは出来なかった。そういう有様である。そしてこの光景こそが、ブラッドの赤い狼の末路なのだ。