「僕にはね。君は根本から愚かな、道化にも笑われるような、ただ何もせず幸運が降ってくるのを待っている人間と同じに見える。見えるだけだよ。」
何もしない訳では無い。が、なにもしない。彼は本来の神機使いとしての役割を、何一つとして全うする気がない。確かに一時は世界を救い、英雄と持て囃された人間が、 まるで鮮やかな夢の中に、全てを解決する力を持ちながら産まれたように振舞っていた人間は、まるでそんな夢から目が覚めたかのように、色のない現実を彷徨って、生きている。